整備済製品のMacBookProを購入するも、不良が見つかり返品するまでの顛末。

そろそろノートパソコンを新しいものに新調しようかな?それならまずは情報収集でも。と、気軽な気持ちでアップルストアのオンラインショップを見ていたら、たまたまMacBookProの、それも現行モデルが「整備済製品」としていくつも販売されているのが目にとまった。

「整備済製品」とは、初期不良だったり、お客様都合のクーリングオフによって返品された製品を、アップルが点検整備のうえ再販するもので、アップル謂く「新品同様」の品と説明される品のことだ。

この「整備済製品」は、セールや値引販売をしないアップルにあって、唯一、最大15%割引の価格で購入できるバーゲン品でもある。

ただお目当の製品がいつも「整備済製品」で販売されているとは限らないし、たとえお目当を見つけても、人気の品はあっという間に売り切れてしまうから、のんびり検討している暇はない。

これまでそれなりの数のアップル製品を購入してきた僕も、そんな訳で「整備済製品」とは縁がなかった。

ところがこの日、たまたま好みのスペックの『Macbook Pro13インチ』を見つけた僕は、どう言う訳か普段なら塾考するはずの20万円の買い物を、勢い勇んでアット言う間に決断してしまった。

品物は注文してから2日後、クロネコヤマトを介して自宅に届いた。

その日仕事から帰宅した僕は、早速セットアップしてウキウキ浮かれて、あれこれMacを弄りはじめたところ、どうもiCloudのキーチェーンが上手く機能していないことに気がついた。と言うのも、Twitterにログインするにも、Amazonで買い物をするにもキーチェーンが働かず、IDとパスワードをいちいち手入力しなければいけない。

仕方なく手入力でログインしてみると、入力したばかりのIDとパスワードも保存されないようだ。

これは明らかにおかしい。

そう思った僕は同様の症状をネットで探しては解決法をトライしてみたのだが、症状は一向に改善しない。

そこでアップルのサポートセンターへ電話をかけて見た。サポートセンターへの電話も僕にとっては初めての経験だ。

サポートセンターには案外スムーズに繋がり、電話口に現れた女性に症状を説明。その後、1時間ほど彼女に言われるまま、あれこれ試したのだがどれも上手くいかない。

もう夜も遅い時間だったので、結局この日は「システムを初期化してOSの再インストールをしてみましょう。もしそれでも解決しなかった場合は明日改めて連絡ください。」ということでお開きとなってしまった。

残念ながらその後も症状は改善せず、翌日、改めてサポートセンターへ電話をかけた。

今度は男性の担当者が出て、昨日、試せていなかった事を色々とやってみた。しかし症状は変わらず。

ところで昨日の女性もそうだったのだが、この日の男性も、作業の意図をしっかり解説した上で「せっかく買っていただいたのに、お手間をかけて申し訳ない」という言葉をつどつど口にする。

それはお詫びに加えて「あなたのMacは確かに少し具合が悪いようだけど、ほんの些細なエラーかもしれないので、ちょっと確認して見ましょうね。お手間をかけてすみません。」と言った感じに僕には聞こえた。

これはユーザーが電話越しに怒り心頭し、モンスタークレーマーへ変身するのを防ぐには効果があるかもしれない。

それが証拠に繰り返しこのフレーズを聞かされているうちに、僕自身「俺のMacちゃん、頑張れ、もうすぐ治るからな」みたいな気持ちが湧いてくる。

ただ今回の僕のMacは買ったばかりの品だ。それなのにこのトラブルシュートにもう数時間付き合わされている。本来ならいい加減「もう返品するわ」や「新品と交換しろ」と言ってもおかしくないタイミングなのだ。

そんな気持ちの芽生えを心の片隅で感じながらも、この日も言われるがまま従順にトラブルシュート作業を行っていたのは、この日、電話対応してくれたお兄さんとのおしゃべりが意外と楽しかったからだ。

僕は作業をしながら、興味本位で様々な質問を彼に浴びせていた。

「なぜ現行モデルがこんなに沢山、整備済品で販売されているの?」

「整備済品ってトラブルが多いの?」

「このモデルはトラブルが多い機種?」

「一番多いトラブルは何?」

などなど、彼にとっては意地悪な質問だったかもしれないが、受け答えには全然困った風もなく、彼もこのおしゃべりを楽しんでいるようにも感じた。

さて、そうこうしているうちに彼のトラブルシュートの手法も底を尽きかけた頃だったのだろうか。

彼は突然「ところでお客様。このマックは使用してからどれくらい月日が経ってますか?」と質問してきた。

正直なところ、この男はそんな基本的な情報を前任者と共有していなかったのか??とビックリしたものの、僕はここで初めて「購入して届いたばかりだ。購入直後からトラブルのあった品を使うのは気持ちも良くないので、本当は新しい品物へ交換してほしいのだけど?」と打ち明けてみた。

すると彼は驚いて「実は、お客様のMacが保証期間内であれば、今おっしゃっていただいた交換や返品のご提案を正にさせていただこうと思ったところだったのです!なんと届いたばかりの製品だったんですね?!」と言うので、僕は思わず笑ってしまった。僕の笑いに釣られたのか彼も笑っている。

そんなこんなで、話題は一気にトラブルシュートから返品交換へと急転回したわけだけど、ここに整備済製品ならではの煩わしさがあった。

整備済製品は整備済製品としか交換出来ないというのだ。

考えてみればそれはそれで理屈が通っている。

ところが、先述したように整備済製品は常時販売されているものではない。在庫がない場合の方が多いだろう。その場合は返品して返金を受けるしか方法がないとのこと。

それでも構わないか?と聞いてくるので、僕は最後にまた頭に浮かんだままの自由奔放な質問をした。

「整備済製品の在庫があれば交換しても良いが、再び不良品を摑まされるのは嫌だ。この際、価格は気にしないので新品を購入しても構わないから、貴方のお勧めの方を購入したい」と。

決して悪気があったわけではないのだが、流石にこれにはお兄さんも困ってしまった。

ごめんなさいね。色々と親身になって会話をしてくれたのですっかり信頼してしまって、素直に口から出た言葉だったのですよ。

幸か不幸か整備済製品の在庫が無かった為に、交換とはならなかったのだが、はてさて僕の意地悪な質問に、彼が整備済製品の交換を勧めると即答出来なかったのは何故か?とまで想いを巡らせるのは、いくらなんでも邪推が過ぎるだろうか。